鳥栖のいじめ:「早く復帰できるように」 生徒の母親、再発防止を求める /佐賀
毎日新聞 2013年4月6日(土)13時5分配信
「二度と息子と同じような悲劇が起きないように、子供の安心安全な環境をつくってください」。鳥栖市立中の男子生徒(13)が同級生らから集団でいじめを受けていた問題。市教委が加害生徒数人に別室指導などを課すと発表した5日、生徒の母親は取材に応じ、早期に学校に復帰できるよう教育現場に再発防止を求めた。【田中韻、上田泰嗣】
男子生徒の両親は3月26日、加害生徒の出席停止などを市教委に申し入れていた。母親によると、5日午後、天野昌明教育長らが両親宅を訪ね、母親に回答書を手渡した。その際、母親は「以前よりも前進した」と評価する意向を伝えた上で「『頑張ります』などの抽象的な言葉ではなく、子供たちの安心安全の環境を保障するため、具体案を文書で示してほしい」と要望したという。
取材に対し母親は「加害生徒が真に反省しているか、二度と同じことが起きないか、学校や市教委の指導を注視したい」と話した。
一方、天野教育長らは訪問後、記者会見した。男子生徒が早期に学校に戻れるよう対策を講じていくことを強調。加害生徒に対する更生プログラムについても両親の理解を得ながら進め、新年度のクラス替えでも配慮したと説明した。
問題が発覚して約5カ月たったことについて教育長は「加害生徒に反省させながら取り組んできたが、発覚当時に(更生プログラムなど)このような指導を考えてもよかった」と反省の弁も述べた。
いじめを発見できなかった校長、学年主任、担任については口頭で厳重注意するとともに「研修などを実施する」と述べた。
4月6日朝刊